(last updated, April 1, 2019) |
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グループ概要皆さんは、生物の授業で精子は精巣で完成すると習ったと思います。しかしこれは事実ではありません。 まず、精巣でできた精子は卵と受精する能力を欠くばかりでなく、動くことすらできない、機能的に未熟なものです。この未熟な精子は雄性生殖道内を移動する間に運動能を獲得し(精子成熟)放精の際に運動を開始します(精子運動開始)。さらに多くの動物では、卵由来の物質によって活性化され(精子運動活性化)、卵へ走化性運動(精子走化性)を行います。この過程において、卵などにより精子の最終成熟が起こり、初めて卵へ侵入する能力を獲得します(受精能獲得)。そして卵周辺部に至って、精子先端にある先体胞の開口分泌が起き(先体反応)、やっと受精となります。このように、精子は放精されてからも時々刻々とその機能を変化させているのです。 私は、この精子機能の調節機構に興味を持ち、研究を進めております。特に、精子が卵に誘引される精子走化性は、精子と卵が初めてお互いを認識する分子認証機構であり、さらには細胞が他の細胞をレーダーの様に感知し、進行方向を定めるナビゲーションシステムであり、非常に興味深い現象です。それ以外にも、受精時に卵でみられる周期的なカルシウム上昇(オシレーション)のメカニズムと役割についての研究も行っております。 現在の具体的なテーマは以下の通りです。
この研究を通じて、受精過程における卵と精子のクロストークを明らかにしていきたいと考えており、さらには不妊治療等の応用にも役立てていければと考えております。
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研究の手法としては、通常の生化学・分子生物学の他に、顕微鏡画像解析システムを用いて精子鞭毛運動の解析や細胞内カルシウムの測定などを行っております。また、最近確立したマウス精子のカルシウムイメージングの方法をさらに発展させ、より小さいユウレイボヤ精子のカルシウム測定を可能とし、さらに実際の運動中のカルシウム動態の測定を試みています。 実験材料としては原索動物であるカタユウレイボヤを主に用いています。カタユウレイボヤは現在ゲノム及びESTデータベースが充実し、海産動物で最もモデル動物化している優れた実験動物です。しかし、別に実験材料にこだわっているわけではなく、現在も研究テーマに応じて魚、マウスやヒトなども用いております。その特性に応じて多様な動物を用いることが可能な臨海実験所の特性を生かし、材料に縛られない自由な発想で研究を進めていきたいと考えております。 上記のようにやりたい研究はまだまだ沢山あるのですが、人手不足で中々進んでいないのが現状です。意欲のある学生・ポスドクを大募集しておりますので、興味がある方は是非とも御連絡下さい。
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