当実験所の金原僚亮さん、中村真悠子さん、三浦教授、2020年3月まで三崎臨海実験所に在籍された小口晃平さん(現:産総研)の研究成果が、東京大学からプレスリリースされました。以下、研究の概要です。
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自然界において他の動物とは異なる新たな特徴を獲得すること(新規形質の獲得)は環境に適応し生息域を広げるために非常に重要である。特にイカやタコ等の頭足類は軟体動物に属するが、墨袋など頭足類に特徴的な新規形質を数多く獲得してきた。中でも「吸盤」は、物の保持や餌の捕獲など複雑な行動を可能にし、頭足類の示す高度な知能の発達にも関わると考えられる重要な形質であるが、そもそも吸盤がどのように形成されるのかといったことすらほとんど未解明であった。
東京大学大学院理学系研究科附属臨海実験所の三浦徹教授と金原僚亮大学院生を中心とした研究グループは、頭足類の中でも扱いやすいコウイカ目に着目し、受精後の胚発生過程から孵化後数ヶ月にわたって吸盤形成過程の観察を続けた。共焦点レーザー顕微鏡や組織切片を用いた観察の結果、腕の最先端部に尾根状に隆起した領域が見られること、そこから未発達な吸盤が作られイカの成長に伴って吸着力を生むための構造が分化すること、孵化後には未発達な吸盤を保護するように腕の先端が皮で覆われるようになることなど、吸盤の詳細な形成パターンを明らかにした。
本研究により、今後頭足類が吸盤という独特の新規形質をどのようにして獲得したのかを解明していくために必要不可欠な知見が得られた。
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詳しくは下記のリンクをご覧ください
論文サイト
https://frontiersinzoology.biomedcentral.com/articles/10.1186/s12983-020-00371-z
プレスリリース
<理学部ウェブ>
https://www.s.u-tokyo.ac.jp/ja/press/2020/6997/
https://www.s.u-tokyo.ac.jp/ja/press/2020/
https://www.s.u-tokyo.ac.jp/ja/
<東大本部ウェブ>
https://www.u-tokyo.ac.jp/focus/ja/press/
https://www.u-tokyo.ac.jp/ja/index.html
https://www.s.u-tokyo.ac.jp/ja/press/2020/6903/
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