第282回 三崎談話会を下記の通り開催しますので、ふるってご参加ください。参加希望の方は三浦(miu◎mmbs.s.u-tokyo.ac.jp)または小口(世話人、k.ohgreen226◎gmail.com)までご一報頂けると幸いです(◎を@に)。飛び入りも可能だと思いますが、特に懇親会希望の方はご連絡ください。
日時:2017年12月28日(木) 16時30分~
場所:東京大学大学院理学系研究科・附属臨海実験所・会議室
講演者:石田吉明、三井翔太
懇親会: 18時から臨海実験所・宿泊棟1階・食堂にて
現生のヒトデ類とクモヒトデ類には自ら基質に浅く潜行するものがある。これらが移動した後には星形の生痕ができるが、ヒトデ類は太く、クモヒトデ類は細い腕の跡を残す。また、ヒトデ類では前方の1腕から基質に乗り上がるために前方の1腕の痕跡が、クモヒトデ類では後方の1腕は基質から引き抜かれるだけであるために後方の1腕の痕跡が不明瞭となる。一方ヒトデ類もクモヒトデ類も、人為的に砂で埋積すると、これを嫌って砂上に脱出する。このとき基質に作られる生痕は、両者とも5腕の跡すべてが明瞭となる。これら現生個体の生痕の相違をもとに、ヒトデ類とクモヒトデ類の残した星形生痕化石の形成過程を考察する。
硬骨魚類の内耳に存在する「耳石」は,炭酸カルシウムを主成分とした生体鉱物である。耳石は,一般的に消化や摩耗に強いことから,魚体から離脱した耳石が化石や捕食者の胃内容物として得られる事が多い。さらに,科や属などの分類群ごとに特異的な外部形態を有するため,耳石の外部形態に基づく種同定を行う事により,古生物学における古環境の推定や,生態学・水産学における食性解析等において大いに貢献できる。その際,耳石上に数多ある形質の中から各種に特有な識別形質を見出し同定する必要があるが,本邦産魚類の耳石の形態に関する研究は立ち遅れているのが現状である。