第295回 三崎談話会

下記の通り、第295回 三崎談話会を開催いたします。
今回は、進化生物学、昆虫学、微生物学を中心に精力的な研究を展開されている深津武馬さんに、生物間共生の多様性および進化生態学的な重要性の理解の最前線についてご講演頂きます。
ご興味のあるかたは是非ご参加下さい。

談話会・懇親会の申込は
三浦 (miu at mmbs.s.u-tokyo.ac.jp) または宇田川(世話人:udagawa at mmbs.s.u-tokyo.ac.jp) まで。

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【第295回 三崎談話会】

日時:2019年9月2日(月)  17時00分~

場所:東京大学大学院理学系研究科・附属臨海実験所・セミナー室

講演者:深津武馬(産業技術総合研究所・生物プロセス研究部門・首席研究員)

親睦会: 18時30分~ (会場:未定)

演題:「共生・進化・生物多様性」
    深津武馬(産業技術総合研究所・生物プロセス研究部門・首席研究員)
要旨:
 自然界では、生物は周囲の物理的な環境はもちろんのこと、他のさまざまな生物とも密接なかかわりをもって生きています。すなわち、個々の生物は生態系の一部を構成している一方で、体内に存在する多様な生物群集を含めると、個々の生物がそれぞれに生態系を構築しているという見方も可能です。非常に多くの生物が、恒常的もしくは半恒常的に他の生物(ほとんどの場合は微生物)を体内にすまわせています。このような現象を「内部共生」といい、これ以上にない空間的な近接性で成立する共生関係のため、きわめて高度な相互作用や依存関係がみられます。このような関係から、しばしば新規な生物機能が創出されます。共生微生物と宿主生物がほとんど一体化して、あたかも1つの生物のような複合体を構築することも少なくありません。共⽣関係からどのような新しい⽣物機能や現象があらわれるのか?共⽣することにより,いかにして異なる⽣物のゲノムや機能が統合されて1つの⽣命システムを構築するまでに⾄るのか?共に⽣きることの意義と代償はどのようなものか?個と個、⾃⼰と⾮⾃⼰が融け合うときになにが起こるのか?今回は特に昆虫類と微生物の共生関係に焦点をあて、生物間共生の多様性および進化生態学的な重要性の理解の最前線について、私たちの研究成果を中心に紹介します。


【三崎談話会とは】
  三崎臨海実験所は130余年の歴史を誇る臨海実験所です。これまで先達たちが「三崎談話会」と称し、これまで280回が開催されてきましたが、2004年をもって開催が停止しておりました。
 ポストゲノムの昨今では、生物学も多様化し、様々な生物種での生命現象が様々なアプローチで解明されつつあり、多くの若手研究者も育ってきております。三崎臨海実験所は本学とは離れた場所にあり、研究交流が容易ではない場所である一方、眼前には豊かな相模湾が広がる素晴らしい環境でもあります。
 そこで我々は、国内外の研究者を招待してご講演いただき、生物学の議論と交流を目的として、ここに新たに「三崎談話会」を復活させ、セミナー・勉強会を定期的に行うことにしました。「新・三崎談話会」は、第281回からの開催となります。  
 臨海実験所でのセミナーですが海洋生物に限らず、幅広い分野の方に発表していただく予定です。本セミナーは、どなたでも参加可能なオープンなセミナーとします。